何もないことはすべてがあること
大阪ガス潟Gネルギー事業推進部海外事業室課長 福永紀子氏
イギリスの田舎でのハイキングで
3年前の6月初めに10日間、私は友人達と花を求めてイギリスのコッツウォルド地方を旅行した。レンタカーを借りて、足の向くまま気の向くままに来る日も来る日も美しい田舎のハイキングをたんのうした。見渡す限りのなだらかな丘には、牧草地の緑の濃淡、からし畑の黄色など自然の彩りのじゅうたんが広がり、森に分け入ると花ニラの大群落に出くわす。村の子供達など「こんななーんにもないところに何が面白くてこの日本人達は来てるんだろう」と不思議に思ったに違いない。そこで生まれて暮らしていれば何の変哲もない風景であるかもしれないが、遠い日本の雑踏から来ると、絵のような村に流れる時間がこの上なく豊かに思えた。目的も定めず、ひたすら自然の恵みを享受する日々に本当のぜいたくを味わった。
合理的なごみ収集システム
写真は、通りかかったチェルトナムの町で見かけた分別ごみの集積場である。町の中心にある広場に、それぞれのゴミの種類別に回収ボックスを常時設置しているので、住民は買い物のついでにそれぞれのゴミを車で持ち込んでいる。小さな田舎町で、ごみ収集トラックが走り回らないでも、低コストで環境を守る取り組みに感心した。
ご参考までに、ウェブサイト上でイギリスの田舎を旅してみたいと思われる方は、ケンブリッジ近くに在住しておられる志村博さんという方が開いておられる「ケンブリッジ通信」というホームページをお勧めします。アドレスはhttp://members.aol.com/shimura99uk/camb.htmlです。
ごみの種類別に回収ボックスを常時設置
福永紀子(ふくなが・のりこ)氏
1944年生まれ。慶応大学文学部卒業。フリーの翻訳、通訳を経て1984年大阪ガスに入社。 国際関係業務に従事し現在、海外エネルギー事業の調査、翻訳などを手がける。役員の海外関係業務での随行や通訳などの他、ボランティア活動などでも幅広く活躍。
女性の感性と国際経験などを通じて、多くの示唆・刺激を与えて頂いている。