田中外務大臣の更迭と男性社会
田中前外務大臣の更迭以降、小泉内閣の支持率が下がり続けている。当時の状況について学校の後輩であるN氏からE-mailが届いた。
N氏の意見「平成14年2月20日、田中真紀子元外務大臣の証人喚問で小泉首相批判があり、内閣の支持率の大幅低下も予想されるが、歴代首相やこれからの政治家を考えても彼以外に今の日本を救える者はいないと思う。
確かに、田中さんは外務省の矛盾を指摘し、問題提起した功績はあるが、内閣批判に至っては組織の利点のなんたるかを知らな過ぎ,今では個人の面子や感情だけに走り野党のおだてに乗って発言しているようだ。」
女性を意識しての恐る恐るのコメント(私)
20世紀は右肩上がりの経済社会だった。
その中で、男は会社と心中する位、仕事に打ち込むことが多かった。一方で女性を仕事のパートナーとして遇しては来なかった。とくに企業においては、キャリアの女性にも、来客にお茶を出すのを男性は期待してた。女性を軽んずるような意味のない偏見があったと思う。
21世紀の日本の社会は、少子高齢化、女性の社会進出が必然で、欧米のように男性も女性も社会で平等に遇されるべきパートナーになる。男と女が結婚した場合、女性を家事と育児に縛り付ける自信のある男性がどの程度いるのか。共働きでも、男は奥さんに家事(主婦業)も育児もやってもらって当然と思っていないか、心情と行動と両面をチェックする必要があると思う。
ところで、小泉内閣には前代未聞の5人の女性閣僚がいた。
川口前環境大臣、遠山文部科学大臣、森山法務大臣の3名はキャリヤ官僚出身で、男性に伍して実力社会を生きぬいてきた方々です。
扇国土交通大臣は宝塚歌劇団の女優出身ですから、女性を意識し、周りの人の心を読んで身を処す能力に長けた方でしょう。
田中真紀子前外務大臣は、他の4名の女性閣僚とは明らかに異質のキャラクターです。確かに頭の回転は速いし、マスコミ受けする大胆な発言が得意です。これを政治力というべきかどうかは解釈の仕方です。ただ、外務大臣としての総合的な資質に欠けていたのは事実でしょう。
政治決断と今後の展開
21世紀に向けた流れの中で、有権者の半分は女性です。女性の屈折した思いの代弁者として田中さんの行動にファンが沢山いたのも事実です。
小泉首相は、満を辞して田中大臣を更迭したのです。このタイミングは適切であったとは思いますが、政治の世界は流動的であり、どのような流れになるかは読みきれません。「時・処・位(置かれた立場での役割)」を読みきり行動を取った積りでも、世の中が期待したように動くかどうか、そのような社会風土として熟成し、変革が待望されているかは分りません。仮に小泉内閣が挫折しても、流れができれば後継者が世の中の意志を引き継ぐことはできると思います。
キャリア女性からのコメント
どういう経緯か知りませんが、ご意見拝見しました。私もずっと働いてきましたので、本当にいろいろありました。今は自分の事務所をやっているので、腹の立つことはほとんどありません。人間もまるくなりました。
ところで、女性大臣のお話ですが、これだけは言わないと腹の虫が収まらないので、この場を借りて申し上げます。ボスに媚びて上昇してきた人たちが多いことは想像がつきます。田中さんは違うように思いますが。この人達は、私とはまったく異質の人だなと思います。
佐伯英子技術士事務所 佐伯英子 http://homepage2.nifty.com/saeki-hideko/
佐伯英子(さえき・ひでこ)
956年生まれ。近畿大学工学部数学物理学科(物理) 卒業。企業に勤務後、1989年に佐伯英子技術士事務所を開設し現在に至る。東大阪モノづくり推進機構委員、潟^スク情報処理技術部長、特種情報処理技術者。情報産業専門学校非常勤講をされていたこともある。
技術士の先輩として、各種勉強会でご指導を受けている。女性の意見をお聞きしたいということで紹介させて頂いた。