高齢まで充実して生きるために

幸いにして人間ドックでの検査結果は、とくに異常はなかった。昨年母が95歳、老衰で亡くなったが、介護保険制度を利用させていただき、幸せな一生だったと思っている。翻って私自身の今後のあり方を考えて見た。

母のこと

父がなくなってから20年、母の住んでいるマンションまで車で5分と近いこともあり,毎週顔を見にいくことにしていた。長兄が早くなくなったので、義姉と同居していたが、義姉は仕事のため日中は,留守である。年をとるとともに近所の友達が少なくなり、だんだん寂しくなってくる。2年前にできた介護保険の制度のお世話になり、ホームヘルパーさんに食事の世話や話し相手になって貰うようにした。目が悪くなり、白内障の手術、耳が遠くなり補聴器の手当てなど、段々衰えてくるので、そのうち介護は毎日になり、時間も長くなってきた。

また、家の中に手すりをつけたり、ガスコンロを安全装置付きのものに変え、つまみを一つだけ残してうっかりミスを防止するよう(改善した。しかし、衰えるのも早いもので、昨春から買い物やお医者さんにはヘルパーさんと一緒に車椅子で行くようになった。ヘルパーさんや妹などとそう長くないかもしれないと話しながら、注意していた。  9月末に様子がおかしくなり心不全で緊急入院させた。酸素吸入の後小康を取り戻したが、体力の衰えが大きく、親族・関係者と声を交わし、「ありがとう。うれしいわ!」といって、1ヵ月半後になくなった。

高齢まで元気で安心して充実した生活を過ごすことために、金銭的な手当てを含め考えさせられることが多かった。

これからのこと

インターネットと活用状況の急激な変化

トピックスの欄で紹介したが、岩波新書の「インターネット」(村井純慶大教授著)が1997年に発刊された。当時、夢物語のように思われた24時間常時接続のインターネット利用は、ADSLやCATVなどブロードバンドの普及によりわが国でも昨年末で700万台以上に達した。

私がいた大阪ガスOBの「すずらん会」でもインターネットのメーリングリストへの入会者がどんどん増えており、ゆったりとした生活ぶりが伝わってくる。また、「NPO大阪環境カウンセラー協会(OECA)」では、比較的早い時期にホームページを開設し、メーリングリストを整備して連絡、調整など有効に使われている。「NPO環境カウンセラー会ひょうご」でもE-mailの名簿が整備され、これを活用しての会員向セミナー案内による仕組みが実現した。

技術士としては「日本技術士会」など3つの団体に所属しているが、それぞれのホームページが活動を始めた。技術士のレベルアップを図り、社会的な貢献を果たすためには、ネットワークの整備が基本となる。関西地区在住の千数百名の技術士の名簿を点検したら、80%以上の連絡網が構築できることが判明した。これからの活動には、インターネットは不可欠である。

技術士全国大会をきっかけに新しい展開を!

今年10月31日に関西では9年ぶりに開催される技術士全国大会の実行委員会(昨年1月から活動)の一員に加えてもらい、当日事業担当の一人となった。今年からは本番に向け、体制が一層強化された。

「創」というテーマのもとに「環境技術」「産業技術」「生活技術」「伝承技術」「マネジメント技術」の5分科会を開催する。具体化の第1歩として特別講演会を開催しているが、第1回の植田和弘教授(京都大学)をはじめ、先生方は驚くほど好意的に引き受けて下さった。技術士に対する社会の認知は高いとはいえないが、技術士に対する期待は大きいことがよく分かる。4月まで計11回の特別講演会の開催が決まっており、これらの活動を通じて全国大会を大きな変革のきっかけに新しい展開が図れるよう仲間とともにチャレンジしたい。

*この特別講演会は外部の方にも公開しているが、講演要旨については、関係者のご配慮によりこの「エコ サポート通信」に掲載させて頂いた。

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