「自動車整備の生き残りをかけて、エコ車検・エコ整備の普及取組み」

守屋 雅夫氏

トヨタOB、三井住友火災海上保険褐レ問兼自動車整備事業者団体ASKnet顧問

車検のときに排ガスはCOを測定するが、昭和41年規制の基準のままで皆合格する。自動車整備事業者に環境保全と燃費改善にかけたエコ車検・エコ整備の技術を教え、普及指導をしている。

自動車と温室効果ガス

日本が排出する温室効果ガスの地球温暖化への直接寄与度はCO2が95%である。二酸化炭素排出量の部門別内訳:@エネルギー転換部門(発電所等)30.7%、産業部門(工場等)29.5%、B運輸部門(自動車、船舶等)19.3%で運輸部門では自家用車と貨物車で80%以上を占めている。

往復40qを25日/月、ガソリンが10q/l走行するとしてCO2は2.8トン/年の排出量になる。

エンジン洗浄による燃費への効果

走行距離が長くなるとエンジンの燃焼部分にカーボン(すす)がつくので炎の伝播が遅くなる。また、エンジンオイルがヘドロ状態になり、エンジンの内圧があがる。その対策として、エンジン洗浄が有効である。@燃焼室の洗浄、Aオイルの洗浄を行い、効果を確認した。サンプル車22台でエンジン洗浄実施したところ、ハイブリッド車を除く20台で効果があり、ガソリン車は平均10%改善、DE車は13%改善、完全燃焼する様になった。

全国で自動車整備事業者650社が取組み平均月20台、450台/月の会社もある(神奈川)

エコ整備の6種類のメニュー

  1. エンジン洗浄:20〜30分。別に用意したガソリンを使い、専用の洗浄液と混合して使用する。ガソリン車とDE車とを同時に洗浄できる。
  2. 潤滑油系統洗浄:別系統で洗浄液を入れて、スラッジを取り除く。20〜30分で洗浄でき、DE車にはこの方が有効。
  3. エコオイル:出光石油と共同開発した合成油。省燃費でロングライフである。
  4. 窒素ガス充填:ゴムの透過性が低く不活性ガスのため走行性が安定する。
  5. エコアースコード取付け:トルクが強くなり、燃費が改善できる。
  6. プラグコード・エコアース取付け:電圧が1万6千Vから2万6千Vになる。イリジウムプラグへ交換。

エコ車検・エコ整備とエコアクション21(EA21)

2002年に環境省が作ったエコアクション21(EA21)環境マネジメントシステムに12社が参加し、現在75社が認証取得した。省エネルギーと環境保全につながる取組みであり、環境省や経済産業省の支援もあり、グリーン購入法の対象として検討されている。今後5年間で600社の認証取得を目指しているなど、スケールの大きな話で盛会裏に終わった。

Q&A

Q:エンジン洗浄のコスト?

エンジン洗浄作業(接続→20〜30分洗浄→脱着)が約1時間要し、費用は8,500円〜11,000円。燃費効果との見合いである。

コメント

EA21の審査で四国へ行った時、エコ洗浄と窒素ガス充填をした。帰りに室戸岬廻りで約500km走り、何と17.5km/gに改善した。(ヴィッツ1300ccマニュアル車で走行65000km)

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