「Technology」と「EA21」
環境省が作った環境マネジメントプログラム、エコアクション21(EA21)はパイロット事業を経て2005年から本格的に動きだした。2008年8月末現在では、中央事務局のほか全国に47の地域事務局、748名の審査人体制で、認証・登録件数は2800件、最近は月100件と安定して増加している。
ISO14001環境マネジメントシステムが伸び悩んでいること、環境問題重視の流れから考えて、今後は、さらに大きな普及が期待される。
@ EA21審査人HG会
ところで、兵庫県下には二つの地域事務局があるが、設立時の経緯が複雑で、フリーな立場の審査人としては地域事務局と連携して活動がしにくい。そこで自然発生的に「EA21審査人HG会」を2005年8月に設立し、以後、毎月例会と幹事会を継続して開催し、普及に向けた取組み検討、審査人のスキルアップとコミュニケーションに努めている。HGの意味は、当初はひょうごであったが、「ハイグレード」ということで、質の高いコンサル、審査活動をめざし、発展していくこととした。
HG会の基本理念を表すものとして「かしこい行動・活動」の実践を取り上げた。
- か:(内外に対して)風通しがよい活動
- し:(社会に対して)姿勢がよい活動
- こ:顧客企業の期待・信頼に応える活動
- い:いつも明るく前向きに!
活動の充実を図る必要があり、2007年のスローガンは「行動しよう!」、2008年は「組織の連携を強化し、よい循環システムを造る」とした。
普及活動に苦戦
最も難しいのは、事業者に対する普及のための周知活動である。地方自治体や商工会議所などの団体を通じて、説明会をしても、なかなか事業者が取組む気になってくれない。HG会自らがセミナーを開催しても、参加者がなかなか集まらない。そこで、広域的なPRができる仕組みづくりとして「雑誌への投稿・PR」、ウエブによるPRなどを進めて行く方策が重要と考えたが、作成したホームページは、工夫を凝らさないとあまりアクセスしてくれない。
ホームページ「Technology」がスタート
技術士会の環境研究会特別講演会で近畿大学の森山真光准教授に講演をお願いした。これがご縁で、技術士の活動を画期的なホームページを作って紹介しないかとお誘いを受けた。技術士会の活動をすぐに載せるのは難しいが、システムを発展させていく過程で実現可能なこと、スタート時はHG会が中心になって、大学と協働でシステム作りをはじめることにした。
ゼミの学生さんの卒論のテーマとして、システム構築、テスト的な原稿の作成、掲載などを通じてアクセス状況の解析と対策、原稿を如何に簡単にホームページにダウンロードできるかのソフト開発、アクセスのしやすさなどを工夫してカテゴリーの領域を拡げ、「集合知と知識の構造化」(東大小宮山宏総長のコンセプト)を進め、圧倒的に優位なシステム作りを目指している。
現在は第2フェーズとして、図表や写真を含むワード形式の文章を原稿作成者が簡単にアップロードできるシステムの開発を進めている。勿論、このシステムを活用して「EA21の普及活動」にもつなげていきたい。