ウエブ時代の中で生きがいを育てるA

  1. 1975年から2025年までの半世紀をウエブ2.0時代と位置づけ、ウエブ、インターネットの進化を中心に世の中が大きく変わっていく。その中で、「一身にして二生を経る」経験ができる世の中でどのように生きるかを示した内容である。我々団塊の世代以前の者にとって、自らウエブ2.0のシステムの中心に身をおくことはないが、世の中の変化にどう対応するか、これらに興味を持ち、考え、生きていくことは必須の条件である。

  2. グーグルの成功例について、この会社の特異性は「整理されていない情報がこの世に存在することを許さぬ」という強固な意志である。この会社は1973年生まれの二人の創業者の固い意志から来ているという。すなわち、「世界中の情報はすべて整理しつくす」というビジョンを掲げて、疾走している。「パブリック(公共的)でオープン(開放的)でフリー(自由、無償)なインターネット」のかなりの部分がアカデミックな世界を中心とするボランティアな活動で支えられている。このような中で「グーグルの検索エンジン」は、検索連動広告を含み急成長してきた。

  3. グーグルの成功例もあるが、インターネットの世界は、「高速道路を猛スピードで走る先に大渋滞がある。」と想定される。この中で大渋滞の先の「高く険しい道」を上り詰める生き方と、高速道路を降りて、自分らしい生き方(「けもの道」を歩く生き方)とがあると想定する。日本では「インターネットに関して、走ってみよう! どこまで行けるか行ってみよう!」という人より、「まだ整備されていないのに危険だ」とか「そんな道路、いらない!」といった意見がまだ根強い。さらに「働き方や生き方を変えることができるということを信じている人が少ない」という。

  4. 「高く険しい道を行く」には次の3点が重要。

    • 「病的なまでに心配性の人だけが生き残る。」:その位の緊張感が必要である。
    • 「アントレプレナーシップ」:企業化精神とも言うが、精神のあり様が重要である。
    • 「ヴァンテージ・ポイント」:見晴らしのいい場所を見つけ、切磋琢磨できる場所を選ぶ。
     
  5. 「けもの道」を歩く:自分が好きなことを選んでいけば、平均以上にはなる。「一人で生きる」コツも身につき、精神的なタフネスが身に付くと「一人で生きる」のも楽しくなってくる。これは、総合志向の自由な生き方と言える。日米を比較すると、日本の若者は力があるのに自信がなさ過ぎる。ウエブ進化は、個をエンパワーするする。個の可能性は専門性や志向性の複合技で個の総合力を定義し、その力で自由に社会を行くという生き方を「けもの道」を歩くと言った。これへの不安を「自由な気持ち」に変化させるには、「能力の取引」をして稼ぐ経験である。人間としてごく常識的で、少し積極的に日常を丁寧に生きることである。

  6. どの道を選ぶのかについて「好き」(志向性)が核になる。大事なのは「自分はこれをやりたい」というものを見つけることである。多様なロールモデル(お手本)を選び、人生のありとあらゆる局面に関する沢山の情報から、自分と波長の合うお手本を丁寧に収集すると、これが「けもの道」における灯台となる。波長の合う信号をキャッチできたら、「時間の使い方」の優先順位を変えてコミットして行動する。このために「ブログ(ウエブログ)」を書くことは有効で、親和性が高いという。

  7. まとめとして、現在はインターネットの発達で「二生を生きる環境」が整っており、その流れに沿ってコンサルタントの道を選んだ者として、「好き」なことをやり続けられるように努めていける環境を活用し、ネットワークを広げ、世の中にも貢献していく方向が見えてきたように思う。

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