エイコーンスタジオ  地域への浸透を深め、経営に見通しが!

「フレあいスポット」は第7号で設立の経緯を紹介したように、2006年に資本金900万円で会社を設立した。資本金の半分は知人等に出資して頂き、200m2ある店舗の内装などの必要資金は、買い取った複合ビルの土地・建物を担保に国民生活金融公庫から融資と合わせて使用し、同年5月に地域のコミュニケーションスペースとしてオープンした。

事業収支を考えると、当初からとても難しい計画であったが、両親と兄が商売を始めた場所であり、何としても進めたいとの想いでスタートした。複合ビル内であるから管理費などの固定費が多くかかり、初年度は相当の持ち出しとなることを覚悟していた。事業費を補填するために私がコンサルタント業務などに励むと運営に係われなくなり、次男の兼司と二人を中心とした活動では行き届かない苦しい状況となった。その中で長男の浩司が全面的に企画・運営・経営に協力してくれるようになった。私自身はこれを機会に運営は子供たちに任せることとし、長男を中心に日々改善が進むようになった。彼が早い時期からサラリーマン生活をやめてクリエイティブな仕事をしたいとの希望を持っていたこともあり、よい活動の場にもなっている。

スタジオは社交ダンスができるように桜材を使った床面の仕上げ等にお金をかけた。使い勝手がよいこと、利用料が比較的安価であることから、毎月4回借りて下さる顧客の開拓を主な目標としてホームページ等でPRしていった。バレーのレッスン時にはトー(爪先)で踊るときに滑らないように、床面にリノリウムを敷き直すなどの工夫をして使いやすさを改善して行った。順次利用率が向上し現在では当初の3倍、70%近い状況になった。併設している教室の利用率はまだこれからであるが、主力の利用をネイティブの方による英語などの学習の場に育てたいとの意向である。

●トピックス

  • ご利用いただいているクラシックバレー教室(エコールドバレエ・ティオ)を中心にした4団体が、西宮の兵庫県立芸術文化センターでジョイントにより発表会を開催した。当スタジオは今年から「エイコーンスタジオ」(エイコーンはどんぐりのことで自然や文化、成長などをイメージ)と改称し、企画・運営等のお手伝いをした。充実した内容に関係者一同、感激した。
  • 「颯爽JAPAN」(代表:小城有佳氏)は設立して10周年、当スタジオもよく利用してくださっている。今年の9月の連休に神戸で述べ4日間、高知や北海道を含む各地の踊りのグループを招いてのイベントは、非常に盛り上がったイベントであった。
  • 当初から藤内忍四段が将棋教室を開催し、有名なプロ棋士が応援に来て下さったが、PRが浸透しなかった。また、プロの将棋棋士を目指している方たちが手伝ってくれる中で、現在も粘り強く活動してくれている。その中で西川和宏さんが四段に昇格し、プロ棋士として活躍されている。

当地のある複合ビル「セルバ」の運営は、厳しい経済環境の中で販売は伸び悩んでおり、関係者は苦闘している。しかしながら、ビルの玄関口にある「エイコーンスタジオ」はこれから、自立し、地域の活性化に向けていささかでも貢献していきたいと願っているし、光明が見えてきたように思う。

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