ウエブ時代の中で生きがいを育てる

  1. 7月に技術士会業務研究会で「エコアクション21(EA21)と集合知」について講演する機会があった。EA21審査人HG会を2005年8月に設立し、EA21の普及に向けて取組んでいるという内容である。しかしながら、営業活動がなかなか進まない現状と、一方でウエブ2.0につながる活動として、良好なホームページ作りが有効な活動になることから、ご自身がベンチャー企業の経営者でもある近畿大学情報工学科の森山真光准教授のゼミとの連携で、そのシステム作りにご協力いただいている。

  2. 上記の講演に関連して、石橋伸之技術士(電気・電子)からお奨めがあって、「おもてなしの経営学」という中島聡氏の著書を読んだ。氏は高校時代からアスキーのアルバイトでインターネットのプログラムを書き、その実力を評価されていた。その後、米国シリコンバレーに渡って、マイクルソフトのウインドウズ95などの開発に携わった実績のある方である。

  3. アップルがiPod、iPhoneなどで成功を収めており、グーグルが検索エンジンをつくり急成長している。「ユーザー・エクスペリエンス」ということばをキーワードとして顧客志向の技術・システム開発が成果につながることをのべている。これを「おもてなし」ということばで表現するのが適切としている。

  4. 米国には「ビジネスのことが分かる技術者」「ITのことが分かる経営者」が一杯いるという。とくにIT業界で身を立てようという学生の中には、コンピューターサイエンスの学位に加えて、同時にビジネスの学位を取得してしまう者もおり、大変な努力が必要である。しかし、IT企業で出世したり、自分でベンチャー企業を起こすためには、ビジネスの知識も不可欠であることを彼らは深く認識しているという。

  5. たまたま10年近く参加している「菅原ゼミ」が7月16日にあり、旅行社に勤務され、野村克也楽天監督と1963年以来、親交のあるホスピタリティツーリズム専門学校大阪の児玉哲也校長先生による「野村克也監督とホスピタリティ」のご講演をお聞きした。先生との歓談の中で周囲に対する心配り、「おもてなし」ということばの重要性が印象に残った。

  6. 中島聡氏の「おもてなしの経営学」には、ウエブの世界で活躍されている3人の方との対談があり、ウエブ、インターネットの方向性について示唆的であった。3人の内の梅田望夫氏との対談があったが、たまたま、私の息子から同氏の「ウエブ時代をゆく」が、同氏の「ウエブ進化論」に続く図書としてとても参考になるとアドバイスを受け、引き続き一気に読んだ。

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