科学技術をどう伝えるか(09年10月)
@PUS(Public Understanding of Science):科学の公共理解:一般の人にどう伝えるか
リテラシー(読み書き)について、その分野に疎い人に対してリテラシー教育が必要
- ライフサイエンスの場合:一人一人の生死と直結している。
- 情報技術の場合:一人一人のリスクや安全、セキュリティとプライバシーなどと直結。
- 環境汚染、遺伝子組み換え食品などは安全と安心にかかわる重大な社会的政治問題である。
一方、未来を選択する権利は国民一人一人にある。したがって、少なくともその概略と人間や社会に対する意味を理解する程度の基礎知識が必要。
「知る権利」と「学ぶ義務」 ※科学技術リテラシー
PUS:@科学的知識の中身を理解すること ex.地球は太陽の周りを回っているなどの知識
A研究や調査の方法論を理解すること ex.どのような手続きを踏めばよいのかの理解
B科学を「社会の中の一事業」として理解すること。
Ex.科学が社会の中にどのように埋め込まれているかについての理解
a)欠如モデル:科学に対して懐疑的態度を示すのは、一般の人の理解や知識がないと解釈する。
科学の側でははっきりしているが、その正しい知識を持った人はx%に過ぎない。
しかし、人々は非合理的な恐れを抱く。
b)文脈モデル:さまざまな状況下にける文脈(コンテクスト)に即した技術を分析すること
※例えば女性は。安全・安心に敏感。日常の状況(文脈)の中で位置づけ、役立つ形で蓄積
c)素人の専門性モデル:住民の現場の知。専門家との間でコミュニケーションをもつ
d)市民参加モデル:遺伝子組換えのような問題に社会的合意形成をどのように民主的に行うか。
APUT(Public Understanding of Technology):技術の公衆理解、技術リテラシー
市民参加型の技術リテラシー
※原子力関係の技術者は「安全性はきちんと説明しているのに技術を理解されない」との意識がある。しかし、PUTは上記B「社会の中の一事業」として理解することが重要である。
人工物を生み出したエンジニアのものの考え方を理解することが必要である。
また、市民の持つローカルナレッジや市民参加モデルを考慮することも重要である。
したがって、一般の人に技術リテラシーが必要であると同時に、技術者にも社会リテラシーが必要である。
藤垣裕子氏の論文より(東大大学院総合文化研究科)