
通る文書術ー理数脳式ー プレジデント2010.8.2号より
子飼弾氏(プログラマー)、畑村陽太郎氏(工学院大学教授)、鎌田浩毅(京大教授)の考え。
箇条書き的にまとめた。
@書き出し
具体的な相手を想定して書く。書き出しが決まらなくても、効率的なアウトプットを優先すると、 手のかかるところ、書きづらいところは、後から付け足せばよい。
A人の文章を真似ることから(個性)
最初から個性的なものを掛けない。パクればよい。天才はコピーをアレンジして自分のものにする。真似るから盗むレベルに到達することもある。既存の情報8割を組み直すことで発信できる。
B接続詞のない文章を書く(構成)
三部構成 「序・破・急」「仮説・検証・結論」「青・反・合」だとまとめやすい。 おいしい蕎麦屋の要素をキーワードでくくると全体像に繋がる。構造化には図を活用する。全体構造がつかめているとシンプルな文章になる。副詞や接続詞、形容詞は不要。
C文章による箇条書きが先。数字や図は後から
一度文章で表現してから数字や図表で代替すると読み手にも分かりやすい。データは見せすぎると分かりにくくなる。文章だけでは正確に伝えにくい時は図や絵でビジュアル化する。
D伝わると伝えるとは違う。(視点)
物事がわかる仕組みの理解が必要。構成要素の摘出と要素の構造化を行い、自分の頭の中と一致するとわかるようになる。相手がわかるのも同様。暗黙知は文章、マニュアルでは共有できない。
E本番の前にレポートつくり(仮説)
モデルを作り検証していくとあわないところがあり、新しいモデルができる。文章も仮説と検証のプロセスは必須。一度解いた問題を解くことは得意でも、新しい価値を生み出す課題設定力が苦手な人も多い。何を書くかが重要。
F言葉をかみ砕き。身近なもので比べる(表現)
人は自分の枠組みで受け止める。基礎知識や経験による価値観がある。一人よがりにならないこと。表現をかみ砕いたり優しい言葉に置き換える。例えばコモンセンスも深い意味、背景がある。
G古典は背景や文脈も押さえる(本の読み方)
本は読みたくなるときに読む。古典には教養が必要で、コンテキスト(背景や文脈)理解が必要。 理系人は目次に目を通し、効率的に読む。20%は将来のための投資。読みたくなれば読む。
Hアウトプットには1万時間のクリティカルマス(臨界点)がある
スポーツや楽器は1万時間練習すると、突然飛躍的に伸びる。文章も同様である。 工場調査など、印象記は自分の知見を深めるために書く。書くときは人に伝わるように書く。 見学時はメモを取らない。時間を経て頭に残った情報が重要。
I三日寝かせて推敲(熟成時間)
- 自分の書いた文章は一旦外に出す。誰かがコメントしてくれる。一旦忘れてしまえば再利用できる。
- 文章は提出期限尾3日前に完成させておく。突発事態にも対応できるし、新たな発見ができる。
- 書く前に思考を熟成させる。印象記も10日経ってから書き始める。その間も志向はフル回転。