
編集後記 2011.1.18
独立して11年、今年は69歳であり、父が自伝「竹のように」を書き、残りの人生を悠々と生きたのと同じ歳であり、感慨深い。この1年で色々な経験ができたことを振り返って、70歳代の活動、生き方の充実につなげたい。
@地球温暖化問題への流れと向きあい方
2010年1月に日本技術士会近畿支部主催でシンポジウムを開催した。わが国の第一人者である植田和弘京大教授に全面的にご指導いただき、充実したシンポジウムであった。私自身もパネリストとして、自らの経験をもとに既築住宅での省エネ化について問題提起した。コペンハーゲンで開催されたCOP15が合意に至らないまでも、長期的に温度上昇を2℃以内に抑えるという方向付けができ、関連情報を仕入れた。3月には、この問題はどういう性格であるか、どういうように取り組むべきかを総括的にまとめ、京都技術士会など主催のフォーラムで発表した。
6月には技術士会の訪中技術交流会に参加し、上海万博の中国館や発電所見学など10日間の調査を通じて、中国は高度成長の中で、真剣に温暖化問題に取り組んでいることを実感できた。
2010年末のメキシコ、カンクンで開催されたCOP16の活動の報告会を聞き、世界的な合意の下、新しい国際的な仕組みづくりに向けて、世界が着実に進みつつあることを確認できた。
A情報発信活動の進展
昨年春から、関西の高速道路の実情を調べ、関係者からの情報収集及び勉強会などを進めていたが、日刊紙のフジサンケイビジネスアイ(日本工業新聞)の企画担当の助田さんと情報・意見交換する中で、技術士会として12回シリーズの連載に編集協力する計画がまとまった。「関西を元気に! 技術士の提言」の原案作りを半年間担当した。有識者や技術士の意見を吸い上げ、また、シンポジウムや勉強会の開催で情報を集め、2011年1月20日の最終号を発行し終えた。プロである新聞社のスタッフが見出しや表現の修正などをしてくれ、スキルアップに繋がる体験ができた。
当初、このテーマに取り組んでも自己満足にしかならないとの意見も聞いたが、次に向けてどう活動するか、前向きに考えている。幸いなことに環境研究会ではホームページ「PE-eco」を発刊し、上記の記事等をより分かりやすく、図表などを補強して掲載した。10年間にわたる技術士会活動の成果として、すでに200以上の記事が掲載できた。中でも工場でのエアの省エネ対策などへの関心が高く、すでに1日100件以上のアクセス数があり、今後の可能性が広がっている。
BISOコンサルティングの新しい展開
ISO品質、環境マネジメントシステムの構築は、経営の道具(ツール)として、中堅・中小企業の人材育成、組織体制の明確化、技術の伝承などに有効である。このことを実践・経験する中で、支援ツールも大幅に改良・整備でき、技術・経営コンサルタントとして支援活動を行うといえるまでになった。また、今まで使いにくかった環境マネジメントシステムを、品質マネジメントシステムに組み込み統合することで、不良品防止の活動に統合する道筋を開いた。この点については、審査機関であるJHIA−MS松本所長の審査時の指摘事項を有効に吸収し、対応することができた。
C小・中学校の新しい同窓会(同期会)の仕組みづくりと開催準備
私が小さい頃から住んでいるのは神戸市東端の住宅・文教地域であり、小中学校合同の同期会にすると21クラスある。世話役40名で、800名の生徒の連絡網作りから取り組み始めた。従来型の名簿管理、運営では、責任者に負荷がかかり、5年に一度の同期会の開催で息が上がる。
そこで、クラスごとの世話役がメール及びFax、電話を最大限に活用して作業を分担し、同時にコストダウンを図って6月に開催する。今後はより低価格で毎年でも開催できることも可能になり、70歳代の活動として楽しみである。これからの10年のスタートとして、健康に留意しつつ「明るく楽しく前向きに(あたま)」を実践していきたい。