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第9号見出し

「アポ取りの達人」(実践編)  濱田 昇氏著 2008年7月 ぱる書房発行

 濱田氏はISOコンサルタントとして独立し、現在マーケッテイングコンサルタントとして活躍中。インターネットで毎日情報が配信されており、米子市で活動していたが、2010年に東京に移転。

1.農耕型セールスへ

 あなたが売る商品をほしいと思っている人にだけ適切なタイミングで売ることが基本。DMなどで見込み客が手を上げてくれそうな提案をして見込客リストを作る。検討する時間を持つ間にニュースレターなどでフォローし育て、見込度の高いお客(約5%)だけをリスト化する。基本知識として次の3つがある。

  1. 商品・サービスの本質的知識・理解
  2. 専門家としての知識
  3. お客に対する理解 

2.アポ取りテクニック

 普通は仮にアポをとっても成約率は1〜2%であり、電話の勝負は最初の10秒。快適さ、便利さ、コスト削減効果など商品がもたらす結果についてお客のメリットになるキーワードを盛り込む。

次の30秒で質問し主導権を握る。アポ取り後の訪問は(3日以内と)早い方がよいが、必ず、決定権者が同席することが条件である。

  • シロアリ駆除セールスマンの例では、アポ取りの前工程に8割の比重をおいてまずは情報提供。お客の立場で見える化を図り、お客の不安解消、疑問に応えるなど、何度も接触してアポをとる。お客さんが確認したいこと(シロアリがいるかの診断)に専門家として助けるプロセスを経て受注獲得。

3.初回訪問時のルール

 相手に安心感や信頼感を与える(ラポール)テクニックの要点は以下である。

  • ミラーリング:鏡のように相手を真似る。
  • ペーシング:共通点を作り相手に合わせる。相槌を打つなど。
  • バックトラッキング:オウム返しする。
  • イエスセット法:相手の無意識下に「イエス」(共感)という返事を取る。

保険のセールスマンの例では、明確なイメージで目標を設定する。逆アポが取れる関係づくりでファンになってもらう。お客にとって役に立てることで信頼を獲得。そして人の財産を築くことにある。

4.クロージングテクニック

見積書を提出するとき、最初に見せない。IF話法で仕様を絞り込みクロージングを迫る。無料お試し、見える化(文書のサンプル、実行計画書化など)や反論に隠れている成約のヒントを見つけ、そして」「だんだん」などの言葉を使い、催眠を刺激する。また、肯定的に受け止め、相対的価値で応じる。まとまると、追加購入や紹介を誘発させたり、アフターフォローが重要となる。

  • 住宅販売セールスマンの例。前工程が重要で、買わない理由から切り込む。あわてて物(住宅)を売らない。ニュースレターを発行し、見学会で寂しい思いをさせたときの対応として手紙でフォローなど、相手の気持ちに集中する。真実をしゃべっておれば怖いものはない。

5.既存客の価値を掘り起こす

既存客の共通する特徴を探り、セールスステップを改善し、買う理由と買わない理由を明確化。

  • ISOコンサルタントの例では、会う前に相手のホームページなどを見て情報を集めるなど、周到な準備が大切。競争がどのくらいあるか、誰が決定権者かを把握する。営業に当たっては会社の周りを見渡し特徴を把握。コミュニケーションを進める中で必要な情報を入手する。何をアッピールすれば満足させられるかを考え、サービス提供の内容を示す。満足度を得てから金額を伝える。見積もりに満足していない場合、付随的な情報を付けて意思決定者にも訴える。

6.アポ取りセールスのシステム化:5つのパーツ

 @見込み客リスト、Aオファー(提案):特典づけ、Bトークスクリプト:どの順番で何を話すのか Cチェックリスト:5W2H、Dセールスステップの設計図:一つ一つはステップを低くし、最初に見積もりは出さない。

そして上手くいっているなら変えずに、繰り返す。いかなければ違うことをする。

コメント

インターネットでは、多くのマーケティング、儲かる話の情報が届くが、時々見るとなるほどと思うことがある。しかし、基本は提供する商品やサービスに自信を持てることである。

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